息子の舌に口内炎らしきものが出来た。真っ先に思ったのが「子供にも口内炎が出来るの!?」だ。
ネットで調べてみると、知らない方がおかしいというくらいに、常識とも言えるほど子供の口内炎に関する情報が出てきた。初めの子の親はきっと無知に等しい。
そんな情報から息子は発熱が伴わないということから、病院にかかることはないと判断した。
そう、そう判断したのですが。。。
ものすごく痛がる。口内炎が出来てから三日目くらいになると尋常ではない様子で、ものすごい勢いで痛みを訴える。それでも食べ物を口にした時に目立つということだったので病院に行くことなく、いつもどおりに幼稚園にいかせた。
その日幼稚園で口内炎を意識しすぎてか、歌を歌っている時に違うところを深くかんでしまった。
帰ってからおやつもまともに食べれず、寝てしまう。
やれやれと思っていると、突然痛みで泣き出す。こういう時親は本当に焦る。口内炎だし、熱がないし、大丈夫とわかっていても、本当に大丈夫だろうかという気になってしまう。そうするともう病院に行かないと行けない気になっていく。
いつもの掛かりつけの小児科の予約時間は終わっていたので、近くの耳鼻咽喉科に行くことにした。
その1時間後、行かなければ良かったと後悔をすることになる。
待ち時間がなかったから余計とそう感じるのかもしれないが、あっという間の滞在時間。診察時間1分。・・・いや45秒。「なぜ来たの?」と言わんばかりの先生の口調が無性に腹がたった。
「傷の箇所に塗る薬を出しても、まだ小さいから舐めてしまって余計傷口を傷めるから薬は出しません。1週間もすれば治ります。」
「原因はなんでしょうか?」 やっと出た質問がこれ。とても質問できる雰囲気ではない。医師が仕切る診察室では親の質問を聞く時間は作られていない。この雰囲気はなんとかならないものかと思う。また質問する勇気を無くさせる。
「ウイルスです」の一言に、質問しなければ良かったと真剣に思う。
分かってますとも、ただの口内炎。そんなことでいちいち病院に行く私が悪いんですよ!!
帰って来てからも同じように痛がる。当たり前である。病院に行っても何もしていないのだから。むしろ傷口は更に広がり、噛んだ箇所も膿みだしている感じがする。
4日目、5日目と土日に痛みのピークを迎える。食事中だけでなく一日中痛みを訴え、ずっと泣いているのせいで目が真っ赤、ボンボンに晴れている。
6日目の月曜日、熱はないけど土日ほとんど食べ物を口にしていない息子を幼稚園に行かすことは出来ず欠席させる。
アレルギーの飲み薬がなくなりそうなので、いつもの掛かりつけの小児科の予約をする。本当のところは、ここの先生も昨日の医師と同じことを言うのか試したいという気持ちがあった。
私は掛かりつけの小児科の先生に絶大の信頼を寄せている。
今までの息子の肌トラブルで紹介しているとおり、私が今まで出会った医師の中で一番好感が持てるのだ。見た目はちょっと小汚い、ボテッとした先生なんだが。
やっぱり思ったとおりの先生だった。
診察結果は昨日の医師と同じ。しかし、内容はまったく違っていた。
まず、ほとんど食べていないものの、うどんを少しでも食べた息子を褒めてくれた。それは感情的にということでもなく、子供をなだめるためということでもない。医師としての見方からそうしてくれた。
きっと息子の舌に出来た口内炎の状況で、食べ物を口に出来る子供はあまりいないと判断したからだろう。そして原因も話してくれた。ビタミン不足の話もしてくれた。ウイルスのことも話してくれた。
アトピーの息子と向き合って、症状が出ていても原因を突き止めることができないことがあるということは分かっている。だからはっきりとした原因を言わない先生の話を自然と受け入れられる。私は原因だけを知れればいいということではないのだ。
そして最後に消毒をしてくれた。
「原因は?」という問いに「ウイルスです」としか答えてくれない医師からは何も伝わらない。病気が治っても不安は解消されない。
小児科だからなのか、私とたまたま愛称があうからなのか、そんなことは関係ない。親が心配したり不安に思ったりすることがおかしいというような医師こそ、私は異常だと思う。
それから最初にいった病院の医師が言うように1週間ほどでその箇所は治っていった。完全に治る前に別の箇所にまた口内炎が出来た。またしばらく息子が痛みを耐える日々が続く。しかし親として不安なく息子を励ますことができる。
親としての器がないだけなのかもしれない。医師の言うことには大抵の人が受け入れるしかない現状がある。もちろん反論なんてする気はこれっぽっちもない。ただ親の話に耳を傾けることは必要のないことなのかと思うのだ。こういう医師が増えるから医師不足になるのか、医師不足だからこういう医師が増えるのかそんなことまで考えてしまった。